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前回は

  • 「緊張」を否定してしまうことが子供の自己否定感を生み出してしまうこと
  • 緊張してしまうことはそれ自体悪いことではなく、その「緊張」を受け入れることが、子供の自己肯定感を育てること
  • をお話しnullしました。

    そこで今回は、子供の緊張を受け入れ、次の行動を促し、自信を持たせてあげるには、どのような声掛けをしたらいいかをお伝えしていきます!


    小さな一歩でも、認めて褒めてあげる

    例えば前回のピアノの発表会…。
    親御さんにとって、目標は何でしょうか。

    おそらく、練習してきた曲を、本番で間違えず上手に弾くことでしょう。

    しかしここで大切なことは、親御さん自身が目標設定の基準を下げることです。

    もし子供が逃げずに会場までついて来られたなら、「えらいね、コワかったけどちゃんと一緒に会場に来られたね。」と褒めてあげましょう。

    本番直前に楽譜を見ながら最初の音を確認したとき、もし正しく覚えていたなら

    「すごいね、最初の音、ちゃんと覚えているね。」

    と、できたことを認めてあげて下さい。

    そんなことで褒めるの?と思うかもしれませんが、大人にとっての「そんなこと」は、小さなお子様であればあるほど、とてつもなく「大きなこと」なのです。

    何を隠そうこの私も、小学校低学年のときは、運動会を人生最大の大舞台のように感じ、本番が来るのが本当に恐ろしく、心臓が破裂するくらい緊張したものでした。

  • なので、どんなに些細なことでも、子供が一歩踏み出せたときは、心から褒めてあげてほしいのです。
  • 親にとっては小さなことでも、緊張で押し潰されそうになっている子供にとっては大きな一歩なのですから。
  • 「コワかったけど、ほんのちょっとだけ前に進めた」という、子供の頑張った気持ちをしっかり受け止め理解してあげることが、何よりも大切なのです。
  • そうすれば子供は安心し、次の一歩へ踏み出すことができるでしょう。

    では、せっかく本番前にお母さんの励ましで安心して向かって行けたのに、本番で失敗してしまったら、どうすればよいのでしょうか。

    本番前は自信たっぷりに向かって行けても、「ピアノの前に座ったとたんに頭が真っ白になってしまった。」「最初は良かったけれど途中で間違えてしまった。」などといったことも、成長の過程ではもちろんあると思います。

    そんなとき、お母さんはどんな言葉をかけてあげるでしょうか。

    「あんなに練習したのに何でできないの!」はもちろんNGです。

    たとえ頭が真っ白になって何も弾けなくなってしまったという結果になっても、「コワかったのに、ピアノの前まで向かって行けたね。」と、子供の勇気をきちんと認めて、褒めてあげて下さい。

    もちろんこのときに、弾けなくて残念だったという表情をしたら意味がありません。

    大切なことは、目標設定の基準を下げることでしたね。ここでは、目標設定の基準をぐーーーんと下げて下さい。

    子供は、お母さんの残念な表情を一発で見抜きます。

    言葉で褒めていても、表情で残念がっていては、子供にはお母さんを悲しませてしまったという記憶が残り、トラウマになってしまうのです。

    目標設定の基準をぐーーーんと下げて、「きれいな姿勢で歩けたね。」「おじぎを忘れずにできたね。」と、一つ一つできたことを子供と共有し、褒めてあげて下さい。

    「今回、初めてですごくコワかったのに、ちゃんとピアノの前に座れたんだから、次はきっと弾けるよ!

    と励まして、安心して次に挑戦できるよう、導いてあげて下さい。

    どんな過去の出来事でも、親御さんの声掛けひとつで、子供の自己肯定感を育てることができるのです。

    そしてそれが積み重なることで、親子の間に強い信頼感も生まれるのです。


     可愛いわが子が、自己肯定感を強く持って、難しいことにも挑戦して楽しく人生を歩んでいけるよう、ぜひ目標設定の基準を低くして、些細なことへの言葉がけを心掛けてみて下さいませ。